恋愛の現実ドラマより劇的
生活面の年間企画「女と男」には、3月掲載した第7部「宵の星影」までに約500通の反響が寄せられた。
1年間で誕生した夫婦は71万4千組、離婚した夫婦は25万5千組(2007年)、未婚・晩婚・晩産化の進行ーなど、数字で捉えることの多かった家族や家庭像の移ろいを、一人ひとりの生き方や本音に寄り添って描いてきた。
切り取られた女と男の断面をどう読み解くか。
フジテレビのプロデューサーの栗原美和子さんへのインタビューを紹介する
ドラマを作ると、「うそくさい」と言われることがよくあります。
その度に、「そんな事はない。ドラマよりも、現実の方がよっぽどドラマチック。
ドラマは決してうそくさくなくて、むしろおとなしいぐらい」と言っていた。
「女と男」を読んで、本当にそうだなあと改めて認識しました。
いろんな人が、いろんな恋愛に関するドラマを持っている中で、読んで一番感じたのは男女が近づいてきているということ。
女性が男性化し、男性が女性化している。
女性はすごく意思を持ち始め、結婚をバネにさらに仕事を頑張るといった選択肢が増えて、それを実行する人が増えています。
一方の男性はむしろロマンチストになってきているというか、一生懸命に男女関係を美しいものにキープしようとしている。
そういう話しが多かったですね。
トレンディードラマの時代、「東京ラブストーリー」(1991年)の赤名リカとか、「ダブル浅野」が演じるヒロインは中性的でした。
かっこいい女性があこがれだった。
ドラマの世界の出来事だったのに、今は皆がダブル浅野や赤名リカになってきている。
男女がすごく近寄ってきているのに、それでも絶対に異性を求めるわけですから、今後どういう男女の感情のもつれ生まれていくのか、興味深いですよね。
私も男性化している女です。結婚したくないわけではないけど、養ってもらわなくても生きていけるので必然性は全くなかった。
でも、普通は「僕があなたを幸せにします」がプロポーズの言葉なんでしょうけど、「僕が幸せになるためにはあなたが必要だ」と言われると、働いてきて自我が強い女は「私を必要としてくれるんだ」ということで針が振れたんですよ。
「守ってあげます」なんて言われたら余計なお世話なんですけどね。
小説でも映画でも最近はお年をめされた方の恋愛がはやっています。
第7部で、双方の80代の親同伴でデートする61歳と58歳の男女の話がありました。
ものすごく温かい映像になると思う。人間、いくつになっても関係性は成長しない。
親は親、子は子。でも唯一、恋愛は相手を変えて自由に組める。
人間は成長しないからいくつになっても恋愛するのではない。
他の関係性は成長しようがないなかで、何歳になっても成長したいから恋愛しているんじゃないかな。
恋愛の中で新たな自分が見つけられ、新たな自分の苦しみや喜びが成長につながる。
死ぬまで止まりたくないから、成長を続けたいから、恋愛という関係を選んでいるのかもしれない。
頭の中にはいつも、ドラマでやりたいことが入っていますが、これまで、高齢者の恋愛というテーマは入っていませんでした。
でも今回読んだ中で、高齢者の恋愛が特に面白かった。(後略)
(3月25日付朝日新聞「女と男 エピローグ上」より)
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posted by スタートライン
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