私は2年前、「花嫁の父」になりました。
「花嫁の父」はどんな気持ちになるのかと思っていましたが、結婚式当日になっても実感はありませんでした。
いよいよ式が始まりました。
教会のドアがあき、拍手の中で娘と腕を組み、バージンロードをぎこちない足取りで進むと、正面には新郎が待っています。
最前列に着くと私の腕から娘の腕がするりと抜け、新郎の腕に吸い込まれました。
その瞬間、なぜか悔しさがこみ上げてきたのです。
私はこれが「花嫁の父」の気持ちだと思いました。
娘の腕が抜けていった感触と、あの悔しさは今でも心に残っています。
会社員 54歳 東京都世田谷区
(6月8日付読売新聞投書欄「気流 日曜の広場 テーマ花嫁」より)
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